2010年
2月
19日
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01:00
Europe/Amsterdam

ダイムラーグループ 2010年は23億ユーロ以上の黒字を見込む

営業活動によるEBIT*は2009年第4四半期に6億ユーロまで改善
2009年の純損失26億ユーロ(前年: 純利益14億ユーロ)
純損失の計上により2009年は無配
グループ売上高789億ユーロ(前年: 985億ユーロ)
産業部門のフリーキャッシュフロー27億ユーロ(前年: マイナス39億ユーロ)  
                               * EBIT: 利払い前の税引き前当期利益
 
ダイムラーAGは2月18日、グループおよび各部門の2009年暫定決算(未監査)を発表しました。
2009年前半は厳しい状況でしたが、第3および第4四半期は連続してEBITの改善に成功しました。営業活動によるEBITは第4四半期も引き続き改善して6億 ユーロの黒字となり、通年ではマイナス15億1,300万ユーロとなりました(前年:プラス27億3,000万ユーロ)。
純損益については26億4,400万ユーロの赤字(前年: 14億1,400万ユーロの黒字)となり、1株当たりの収益はマイナス2.63ユーロ(前年: プラス1.41ユーロ)となりました。
純損失の計上にともない、取締役会では監査役会に対して2009年は無配とすることを提案しています。なお、この提案は2009年の業績のみを反映したもので、今年の事業見通しとの関連はありません。
ダイムラーAG取締役会会長 兼 メルセデス・ベンツ・カーズ統括のディーター・ツェッチェは「昨年はダイムラーも多くの難しい課題に直面しましたが、時がたつにつれてグループの効率化が進み、自動車業界に大きな影響を与えた混乱を克服するだけでなく、業界をリードする強固な地位を確立するための基盤を固めました。その結果、ダイムラーは力強く危機を脱しつつあります」と述べました。
2010年の見通し
2010 年初頭の世界経済は依然として過渡期にあります。戦後最大の経済危機は最悪期を脱したものの、自立的で継続的な回復が本格化したという確かな証拠はほとんどありません。世界的な景気回復の兆候もいくらか見られますが、危機が去ったと言える状況ではありません。しかし、中国やインドなど新興市場が着実に成長を 続けていることは、よい影響を及ぼし始めています。
世界の自動車需要は、現在の推定では、危機に見舞われた2009年に比べて3~4%増大するとされています。アッパープレミアムセグメントは各国政府が昨年実施した販売刺激策の恩恵をほとんど受けなかったため、2010年も刺激策終了の影響を受けずに、自動車市場全体よりも力強い成長が見込まれます。
商用車に対する世界需要も、昨年の深刻な危機を脱し、ふたたび緩やかな回復に転じるものと見られます。NAFTA地域では、これまで3年連続で大幅に縮小した中型および大型トラック市場が今年は10~15%拡大する見通しです。欧州については、小型トラックの需要が2009年に比べていくぶん改善する可能性がありますが、6トン超の商用車はおそらく横ばいとなるでしょう。
魅力的で競争力にすぐれたクルマを持つメルセデス・ベンツ・カーズ部門では、厳しい景気が続く中でも市場での地位を守れると考えており、2010年は2009年後半の好調を維持し、販売台数を増やすことを目指しています。
ダイムラー・トラック部門とメルセデス・ベンツ・バン部門でも販売台数の増加を見込むほか、ダイムラー・バス部門も南米各国市場の牽引による販売台数の増加を予測しています。また、ダイムラー・ファイナンシャル サービス部門では、自動車事業での世界での契約額が堅調に推移する見通しです。
各自動車市場の動向に関する想定と各部門の計画にもとづき、ダイムラーグループの2010年総販売台数は増加が期待されます。
2009年に大幅減となったダイムラーグループの総売上高は、2010年にはふたたび増加に転じるものの、依然として2008年実績には遠く及びそうもありません。しかし、全自動車部門で売上高は増加すると予想されます。
営業活動によるグループEBITは、2010年もきわめて厳しい経済状況が続くものの、新製品の好調な販売や、主要市場の緩やかな回復基調、効率向上のための懸命の取り組みにより、23億ユーロを上回る見通しです。
各部門の2010年EBIT予測は以下のとおりです。
・ メルセデス・ベンツ・カーズ: 15億ユーロ超
・ ダイムラー・トラック:約2億ユーロ
・ メルセデス・ベンツ・バン: 約2億5,000万ユーロ
・ ダイムラー・バス:約 1 億 8,000 万ユーロ
・ ダイムラー・ファイナンシャルサービス: 3 億 5,000 万ユーロ以上へ改善
・ 各部門の合計からグループ EBIT を導き出す調整のために約 2 億ユーロの費用が発生する見込み
2009年実績
2009年のグループの実績が低調だった主な要因は、世界的な経済危機により自動車販売台数がすべてのセグメントで減少したことにあります。しかし、減益の幅については、53億ユーロのコスト調整のためにグループが早期に実施した対策や、 すでに進行中の施策によるいっそうの効率強化が功を奏し、大きく圧縮されました。
また、子会社事業の最適化やポジショニングの見直しに伴う支出も減益要因となりました。具体的な支出額は、三菱ふそうトラック・バスが2億4,500万ユーロ、ダイムラー・トラック・ノースアメリカが9,500万ユーロとなっています。ダイムラー・ファイナンシャル サービスの減益は、主にリスクコストの上昇によるものです。同部門ではさらに、売却可能な非自動車関連資産の処分と評価により、1億ユーロの追加費用が 発生しました。さらに、非流動引当金の割引率の減少により3億8,800万ユーロ、 ドイツ年金保護協会に対する年間負担金の大幅増額により1億6,400万ユーロの費用が発生しています。
クライスラーは2億9,400万ユーロのEBIT減益要因となりました。とりわけ、クライスラーに残していた出資分19.9%を処分する合意を第2四半期に結んだことが最大の要因となっています。
2009 年の総販売台数は160万台(前年: 210 万台)となりました。
グループ売上高は前年比20%減の789億ユーロとなり、為替調整後の減少幅は21%となります。
産業部門におけるフリーキャッシュフローは、厳しい経済情勢にもかかわらず、27億ユーロの大幅なプラスを計上しました(前年: マイナス39億ユーロ)。フリーキャッシュフロー増加の主な理由は、在庫、売掛金ならびに設備投資の推移により、各部門の収益がもたらすマイナスの影響が調整されたことにあります。しかし、年金基金への負担金と買掛金の減少はフリーキャッシュフローを押し下げる要因となっています。
産業部門の純流動性資産は42億ユーロ増の73億ユーロとなりました。
取締役会では、厳しい環境下における従業員の懸命の努力を認め、給与および  賃金料率協定の対象となっているダイムラーAGの従業員に対し、2010年に500  ユーロの特別支給金を支払うことを決定しました。
従業員数については、2009年の需要の大幅な落ち込みにともない調整を行いました。2009年12月31日現在、ダイムラーグループの従業員数は全世界で25万6,407人(前年: 27万3,216人)。このうちドイツでの雇用は16万2,565人(前年: 16万7,753人)となっています。実習生、訓練生の数は2009年末現在で9,151人(前年: 9,603人)となっています。
ダイムラーグループの2009年の研究開発および設備投資は、厳しい経済環境にもかかわらず、66億ユーロとなっています(前年: 80億ユーロ)。
ダイムラーでは、今後も未来を開く革新技術により、自動車業界の技術変革に積極的な役割を果たしていく方針から、研究開発費については昨年も42億ユーロと高い水準を維持し(前年: 44億ユーロ)、「排出ガスゼロのモビリティ実現へ」の取り組みに沿って低燃費で環境対応型の新しい駆動技術の開発を重点的に進めました。  現在は、従来の駆動技術の最適化、ハイブリッド化による効率向上、燃料電池   およびバッテリーによる電気自動車の開発を進めるとともに、新しい安全技術にも 重点的に取り組んでいます。
2010年と2011年の2年間の研究開発投資は合計で97億ユーロを計画しています。このうち61億ユーロがメルセデス・ベンツ・カーズに充てられます。
設備投資については、2009年実績が24億ユーロ(前年: 36億ユーロ)となり、このうちドイツ国内向けは17億ユーロ(前年: 25億ユーロ)となっています。2010年と2011年については、製品に対する新たな要求事項の発生に加え、将来のモビリティに向けた持続可能な製品・サービスを提供することが求められている現状から、合計で81億ユーロの設備投資を計画しています。とりわけメルセデス・ベンツ・カーズとダイムラー・トラックでこれまでより大幅な増額となります。
部門別の詳細について
メルセデス・ベンツ・カーズ(メルセデス・ベンツ、マイバッハ、スマート)の総販売台数は、きわめて厳しい市場環境の中、109 万 3,900 台となりました(前年: 127 万 3,000 台)。このうち、メルセデス・ベンツ・ブランドの出荷台数は 97 万 4,700 台(前年: 112 万5,900台)。また、2009 年、現行モデルが 3 年目を迎えたスマートの販売台数は 11 万 3,900 台で、前年実績( 13 万 9,000 台)がきわめて好調だったこともあり、減少に転じました。
同部門の売上高は販売台数の減少により、前年比 14 %減の 413 億ユーロとなりました。
前半は厳しい状況が続いたものの、その後は着実な改善が見られます。 EBIT は 第 4 四半期に 6 億800万ユーロを達成、通年ではマイナス 5 億ユーロとなりました(前年:プラス 21 億1,700万ユーロ)。この収益の急速な悪化は主に、乗用車需要の大幅な落ち込みとそれにともなう販売台数の減少によるものです。新型 E クラスは 発売以来好調ですが、多くの市場で発売が年の後半となったこともあり、この減少 傾向を食い止める効果は限定的でした。また、自動車市場における競争の一層の 激化と値下げ圧力や、モデル構成比が不利になったこと、さらに研究開発費も収益にマイナスの影響を及ぼしました。
EU域内でダイムラーが販売する乗用車の2009年の平均CO2排出量は160g/kmと13g/km減少しました。メルセデス・ベンツ・カーズではEU向けの新車の平均CO2 排出量を2012年までに140g/km以下に抑えることを目指しています。
ダイムラー・トラックでは、世界的な金融・経済危機の影響に加え、世界の輸送サービス需要が過去50年間で最大の落ち込みを記録したことから、販売台数が25万9,300台に減少しました(前年: 47万2,100台)。販売台数の減少は同部門の中核市場(欧州、米国、ラテンアメリカ、日本)のすべてに影響を及ぼし、売上高は前年比36%減の184億ユーロとなりました。なお、年後半には各市場で低い水準での安定化傾向が現れました。
同部門のEBITはマイナス10億100万ユーロと、きわめて好調だった前年実績 (プラス16億700万ユーロ)を大幅に下回りました。商用車の販売台数減少が収益に大きな影響を与えた形です。また、三菱ふそうトラック・バスとダイムラー・トラック・ノースアメリカの包括的な事業ポジショニングの見直し計画により3億4,000万ユーロの費用が発生しました。なお、第4四半期の特別項目を除く営業損益は、マイナス1億7,900万ユーロとなっています。
メルセデス・ベンツ・バンも一般的な市場動向の影響を免れず、スプリンター、バリオ、ビアノ、ビトーを合せた販売台数は16万5,600台と、前年のきわめて高い水準  (28万7,200台)を大きく下回りました。売上高は前年比34%減の62億ユーロでした。
 同部門の実績は販売台数の大幅減にもかかわらず年間を通じて着実に改善しています。EBITは第4四半期にプラス1億2,600万ユーロ、通年でプラス2,600万ユーロとなりました(前年: 8億1,800万ユーロ)。
ダイムラー・バスは、完成車およびシャーシの販売台数3万2,500台(前年: 4万600台)、売上高42億ユーロ(前年: 48億ユーロ)と、車両総重量8トン超のバス 生産で他を寄せ付けることなく首位の座を守りました。販売台数減少の最大の要因は、メキシコおよびラテンアメリカ市場における需要の大幅な減少です。
同部門のEBITは1億8,300万ユーロ(前年: 4億600万ユーロ)となりました。  世界的な需要の低迷が減益の主な要因となっています。
 
ダイムラー・ファイナンシャル サービスも、世界的な金融・経済危機の影響を受け、自動車販売台数の減少により新規事業が前年比15%減の251億ユーロとなりました。世界での契約額は、新規事業および北米における非自動車関連ポートフォリオの部品販売の低迷から、前年比8%減の583億ユーロとなりました。
また、EBITは損益分岐点をやや上回る900万ユーロ(前年: 6億7,700万ユーロ)となりました。最大の要因は、信用リスクの上昇にともなう費用の増加ですが、さらに、非自動車関連資産の処分と評価により1億ユーロの追加費用が発生しています。
「調整」の部は、主にクライスラー関連の項目と、持分法が適用されるEADSに対する出資にもとづき案分したダイムラーの帰属分によるものです。
2009年第2四半期にダイムラーとクライスラー、サーベラス、米国年金給付保証公社(PBGC)が結んだ合意により、ダイムラーグループがクライスラーに残していた出資分19.9%を処分した結果、総額3億7,800万ユーロの支出が発生しました。クライスラーLLCへ法的譲渡を行ったクライスラーの国際販売事業、クライスラー関連資産の評価によるものは合せて8,400万ユーロ計上されています。
EADSの利益に占めるダイムラー帰属分は8,800万ユーロ(前年: 1億7,700万ユーロ)となりました。ただし、軍用機A400Mへの資金調達に関してEADSと発注国との間で進められている交渉により発生する可能性のある費用は考慮していません。