2010年
6月
10日
|
02:00
Europe/Amsterdam

メルセデス・ベンツの新型スーパースポーツカー 「SLS AMG」を発売

メルセデス・ベンツ日本株式会社(社長:ニコラス・スピークス、本社: 東京都港区)は、新型スーパースポーツカー「メルセデス・ベンツ SLS AMG」を本日より全国のメルセデス・ベンツ正規販売店ネットワークにて発売いたします。(お客様への納車は10月頃を目処に準備中)
「メルセデス・ベンツ SLS AMG」は、メルセデス・ベンツのハイパフォーマンスモデルを手がけるメルセデスAMG社の40年以上にわたる歴史の中で初のAMG専用モデルとして、同社がモータースポーツ活動を通して培ってきたレーシングカーテクノロジーと、メルセデス・ベンツの最先端技術を結集して開発されたスーパースポーツカーです。
新型SLS AMGの特長
・ メルセデスの伝説のスポーツカー「300 SL」のデザインアイコンであるガルウイングドアと、ロングノーズ&ショートデッキの典型的スポーツカースタイルを現代流に解釈した、美しくも圧倒的な存在感を主張するスタイリング
・ メルセデスAMG社独自開発のハイパフォーマンスエンジンとして定評の6.3リッター V型8気筒エンジンに、新設計ピストンやドライサンプ潤滑方式をはじめ120箇所以上に及ぶ改良を施し、571PS(420kW)の圧倒的なパワーを発生
・ 軽量かつ高剛性のアルミニウム・スペースフレームボディ構造や、エンジンをフロントアクスル後方に搭載したフロントミッドシップ形式、7速デュアルクラッチトランスミッションをリアアクスル上に配置したトランスアクスル方式による理想的な前後重量配分ドライサンプ潤滑方式による低重心化により、スーパースポーツカーにふさわしい卓越したハンドリングと優れた操縦安定性に貢献
0-100km/h加速3.8最高時速 317km/h(電子リミッター作動)の超高性能を実現しながら、 NEDC総合燃費 13.2L/100km7.6km/L*のクラストップレベルの燃費効率と、クリーンな排出ガス性能(EU5 、 LEV2 、 ULEV 適合)を達成 (* 欧州仕様参考値)
メーカー希望小売価格(消費税込み)は以下の通りです。
モデル
ステアリング
メーカー希望小売価格 (  )内は消費税抜き車両本体価格
SLS AMG
¥24,300,000
(¥23,142,858)
* 上記のメーカー希望小売価格は、付属品価格、税金(消費税を除く)、保険料、登録に伴う諸費用を含まない車両本体価格です。また「自動車リサイクル法」に基づく、リサイクル料金が別途必要となります。
なお、SLS AMGにも、メルセデス・ケア(3年間走行距離無制限の無料修理・無料メンテナンスと24時間ツーリングサポート)が適用されます。また、メルセデス・ケアの一般保証および24時間ツーリングサポートを有償にて最大2年間延長するプログラム「My Mercedes サポート」もご用意しております。
メルセデス・ベンツ新型SLS AMGの発売を記念し、来たる6月11日よりメルセデス・ベンツ品川を皮切りに、全国のAMGパフォーマンスセンター*にて、SLS AMGの実車展示を実施いたします。 *一部店舗除く
また、SLS AMGをガラスのケースに入れ、ケースに設置されたカメラをiPadおよびiPhoneのアプリケーションで操作し、お好みの角度でSLS AMGを映し出すほか、SLS AMGの特長をご紹介するムービーをお楽しみいただけるプロモーション「SLS AMG ショーケース」を実施いたします。詳しい場所や日程はメルセデス・ベンツウェブサイト内「イベント」ページに順次公開いたします。
メルセデス・ベンツウェブサイト内「イベント」ページ
www.mercedes-benz.co.jp/news/event/index.html 
※ iPad®およびiPhone®は米国および他の国々で登録されたApple Computer,incの商標です。
 メルセデス・ベンツSLS AMG 詳細
メルセデス・ベンツの新しい「ガルウイング」
メルセデス・ベンツ新型SLS AMGの個性的なデザインは、その情熱的なスポーツ性を際立たせるとともに、メルセデスデザインの最も輝かしいシンボルの1つであるメルセデス・ベンツ300 SLのデザインアイコンを新たに現代的に解釈したものです。2m近くにもおよぶロングノーズと大きく後退させた低いコックピット、リトラクタブル
リアスポイラーを備えた短いテールエンド、そしてロングホイールベースとワイドトレッド、大径ホイールなど、スポーツカーデザインの原則をしっかりと踏まえた、ダイナミズムを象徴的に表現しています。また、短いオーバーハングに加え、大きくリア寄りの低い位置にマウントしたドライサンプ式フロントミッドシップエンジンとトランスアクスル式デュアルクラッチトランスミッションを採用したドライブトレインレイアウトがその
スーパースポーツカーとしての性格を決定づけています。
スタイル上のハイライトとなっているのは、SLS AMGにカリスマ性を与える、このクラス唯一となるガルウイングドアにほかなりません。メルセデス・ベンツ300 SLを髣髴させるのは、このガルウイングドアのみならず、大きなスリーポインテッドスターを配し翼のようなフィンをもつワイドなフロントグリルも、その伝説的スポーツカーを想わせるデザインとなっています。
立体的で彫像のようなフロントビューは、横長のくぼみを持つ低いV字形フロントスカートを備え、力強さを与えています。左右いっぱいに広がった縦形ヘッドライトは中央のロービームに、メタリックのウィングをあしらったバイキセノンヘッドライトを採用し、その上のLEDウインカー2列と下のLEDドライビングライトで囲むデザインとしました。
航空機技術からヒントを得て
ジェットエンジンのエアインテークに似た円錐状に突出したスリーポインテッドスターと長いボンネットは、航空機を想わせるデザインです。ボンネットはフロントに向かって曲率が大きくなっており、ボンネット後端に設けた2つのベンチレーショングリルを飾る4本の「シャドウシルバー」フィンも同様です。航空機に見られるこの特徴的なラインは、SLS AMGのボディをかすめる気流の速さを視覚的に表すことで、クルマが停止しているときもダイナミックな外観を生み出しています。
サイドビューにも、ボンネットのフィンと同様のデザインを施しています。このサイドフィンも300 SLのスタイリングを踏襲したものです。このエアアウトレットから伸びて、スタイルを決定づけているキャラクターラインは、凸面の傾斜およびアグレッシブな表面処理とあいまって、美しさと力強さを兼ね備えたデザインとなっています。コンパクトなパッセンジャーコンパートメントはきわめて魅力的かつ独特なもので、高いウエストラインと低いサイドウインドウ、そして急角度に立ったウインドスクリーンにより、戦闘機のキャノピーバイザーのようです。また、前方へ傾斜し、エレガントなカーブを描いてリアウインドウへと到達するBピラーは、純粋なダイナミックさを象徴して
います。
たくましい筋肉のようなサイドビュー
SLSのサイドビューで際立っているのが、あたかも張りつめた筋肉のようにフロントからリアへと伸びたショルダーラインです。サイドウォールから力強く伸びるホイールアーチに収まるホイールは、フロント19インチ、リア20インチのアルミホイールを採用しています。ホイールのスポークの間からは大径のAMGハイパフォーマンスコンポジットブレーキが目に入ります。また、上から見ると、ヘッドライトからリアにかけて、筋肉に沿って一本の線が途切れることなく走っています。このデザインはボンネットにも採用されており、視線はこのボンネットから、ガルウイングドアに挟まれたルーフの曲面をへて、ハイマウントストップランプへと流れていきます。
ワイド感を強調したリアエンド
卓越した運動性能とパワーを表現するSLSのリアエンドは、ゆるやかに下降するトランクリッドとショルダー、そしてフラットなリアコンビネーションランプにより、ボディのワイド感を強調しています。水平方向に分割したリアコンビネーションランプはLEDによる先進的でスタイリッシュな印象を形づくっています。翼のように細く長く横方向に伸びるLEDライトは夜間も魅力的で個性的なデザインです。また、LEDリアフォグランプ/バックランプは、センターの低い位置に配置するF1レースカースタイルとしました。スポーツエグゾーストシステムのツインクロームエグゾースト
エンドもやはりモータースポーツに由来するデザインです。また、リアスカートは急角度で絞り込むことで、リアのワイドタイヤをはっきりと見せリアビューのワイド感を強調しています。トランクリッドに一体化したリトラクタブルリアスポイラーは、速度120km/h以上で自動的に立ち上がり、すぐれた高速安定性に貢献しています。
ニューカラー: AMG アルビームシルバー」とマットペイント2
新型SLS AMGは、ボディカラーに特別色9色を設定しています。このうち最もユニークな「AMGアルビームシルバー」は、新しい加工プロセスにより液体金属のような光沢を放ち、ボディを金属の皮膚のように包み込むことで、ガルウイングの魅力的なデザインラインを他のペイントにも増して強調するとともに、光の反射の加減によりデザインラインをいちだんと生き生きと見せる効果を生み出しています。なお、この効果は直径30~50ナノメートルの微小な色素によってもたらされました。
一方、designoマグノアラナイトグレーとAMGマグノモンツァグレーの2色のマットペイントも魅力的です。シルクマットの塗装によりエッジの輪郭をシャープに見せることで、2シーターSLS AMGのスポーティな性格を強調しています。
航空機のデザインとレーシングカーの機能性を取り入れたインテリア
インテリアは、航空機のコックピットのような雰囲気を醸し出しています。インテリアデザインを決定づけるダッシュボードは、力強く伸びた翼のように幅広く見えます。ダッシュボード上のシャドウシルバーのベンチレーション送風口は、ジェットエンジンを連想させるデザインとなっています。シフトインジケーターとホワイト照明のメーター2個を備えるチューブ状のインストルメントクラスターもやはり、メタリックシャドウシルバー仕上げによりスポーツ感を強調しています。メーターパネルは360km/hスケールで、メーター針はレッドとなっています。ダッシュボードの中央にある2つの送風口の間には、7インチモニター付COMANDシステムをレイアウトしています。
本物のマットメタルを使用した長いセンターコンソールも、航空機のコックピットを思わせるデザインとしています。このセンターコンソールでとくに重要なのが、AMG ドライブユニットです。ドライバーに向けて配置されるこれらのスイッチにより、SLSのドライビングモードを設定することができます。また、AMGスピードシフトDCT 7速スポーツトランスミッションを操作するAMG E-SELECTレバーも、ジェット機の推力調整レバーのようなデザインとなっています。スイッチ類はすべて本物の金属を使用し、光沢あるシャドウシルバーの表面処理をしています。
このほか、ガルウイングドア内側の凹面トリムや高いウエストライン、たくましいサイドシルなどが、スポーツカー特有のエルゴノミックな感覚を演出しています。インテリアにおけるクラフトマンシップを示すのは、ナッパレザーや本物の金属などの高級素材、さらに、オプションとして設定した本物のカーボンによるトリムも、ディテールへのきめ細かな配慮を示すアイテムです。室内のカスタマイズについては、ブラック、クラシックレッド、サンド、ポーセレン、ライトブラウンのレザー5色のdesignoカラーを用意しました(クラシックレッド、サンド、ポーセレンにはブラックとの2トーンも用意)。
乗降性にすぐれた大きく開くガルウイングドア
路面からわずか369mmのスポーツカー特有の低いシートポジションながら、大きく開くガルウイングドアにより乗降は容易になっています。設計にあたり開放角度をできるだけ大きくすることを目指し、70度もの開き角を実現しました。これにより、ドア開放時の、地面から開いたドアの下端部までの高さは150cm、サイドシル上端とドア下端部の間隔も108cmと余裕ある構造となっています。また乗車のために足を上げなければならない高さ(路面からサイドシル上端までの高さ)は45cmと低くなっています。
またエレガントな乗降性を実現するためのもう1つの重要な基準となったのは、ドアの開閉に要する力です。これについてはドアヒンジのサイドにガスダンパー2本を装備し、厳寒時も軽く開閉できるようにしました。
また、このガルウイングドアは、一般的なクーペのドアに比べて開くのに必要な横方向スペースが小さいため、ガレージ内でも完全に開くことができます。室内のドアハンドルにもシャドウシルバー仕上げを施しています。パワーウインドウ、セントラルロックシステム、ドアミラー調節スイッチも、インテリアトリムの手のとどきやすい位置に配置しています。室内の空間は、ショルダールームを1,483mm、エルボールームを1,606mmと大きく取ったことなどにより、ゆったりとしています。また、ヘッドルームを990mm、運転席の有効レッグルームを1,058mmと大きくすることで、深いシートポジションでも余裕のあるスペースが広がります。また、ウインドスクリーンは比較的立てた角度とし、すぐれた視界を確保しました。
マグネシウム製バックレストを採用したスポーツシート
スポーツシートは、軽量かつ高強度なハイテク素材であるマグネシウムをバックレストに採用し、車両の重量配分と低重心化に大きなメリットを生み出しました。また、シートクッションは2ゾーンタイプを採用しています。硬めの発泡材を詰めた大型サイドボルスターにより、最適なサイドサポートを実現するとともに、シートとバックレストの内側を柔らかめにすることで長距離走行でもすぐれた快適性を確保しています。さらに、シート前後ポジションや高さ、バックレスト角度、座面角度を電動調節できるメモリー付パワーシート、および電動チルト/テレスコピックステアリングを標準装備しています。このメモリーは3名分の設定を保存することができます。
さらに、4ウェイランバーサポートやサイドサポートを調整できるマルチコントロールシートバックおよび、3段階調節式シートヒーター、および助手席のシートセンサー/チャイルドセーフティシートセンサーを標準装備しています。
一体型ヘッドレストとスポーティな横方向のパイピングをあしらったスポーツシートの表面素材にはdesignoレザーを採用したほか、ツートンカラーシート(色はクラシックレッド、サンド、ポーセレンの3色を用意)も設定しています。ライトブラウン仕様のインテリアでは本革に加え、シート中央部にとくに高級な編み込みレザーをあしらいました。なお、色の組み合せに合わせて蛍光色またはブラックのパイピングを施し、スポーティ感をいっそう高めています。
さらに、直径365mm、フラットボトムタイプの本革巻3スポークAMGパフォーマンスステアリングは、パドルシフトやスポークに本物の金属を使用し、本格的なハンドメイドを強調するとともに、ドライバーの意思をしっかりとクルマに伝えます。
メルセデスならではのすぐれた実用性を実現する多数の収納スペース
SLS AMGのインテリアは、メルセデスならではのすぐれた実用性を実現すべく、使いやすさを追求した収納スペースを設けています。ダッシュボードの助手席側には、3.7リットルのグローブコンパートメント、また、AMG E-SELECTレバーの右側には12Vソケット付きの小物入れ(灰皿としての使用も可能)となります。センターコンソール後ろのアームレストは、ボタン操作により2段階にシフトすることで、下に隠れた小物入れが出現します。この小物入れは、2個のカップホルダーを備えています。このほか収納スペースとしては、シート間の後部の収納システムと助手席足元のメッシュサイドポケットがあります。また、バックレストにジャケットフックを2個設けています。ルーフライナーのフックは、シリコンダンパー付きの折りたたみ式です。
リアハッチは、照明スイッチの下のボタンでロックを解除できるほか、キーを使っても開くことができます。なお、ラゲッジルームの大きさは176リットルとなっており、ゴルフバッグを1個搭載することができます。
軽量化と最高の強度を実現するアルミニウムスペースフレーム
SLS AMGはボディコンセプトにおいて新しいアプローチをしています。メルセデス・ベンツとしてもAMGとしても初めてシャーシとボディのいずれもアルミニウム製とした結果、車両重量は1,620kg(欧州仕様参考値)とスチール構造に比べ大幅な軽量化を実現しました。
SLS AMG専用に開発されたボディは、アルミニウムスペースフレームにより構成されています。このスペースフレームは、高度な軽量設計と最高レベルの剛性により、SLS AMGの卓越したハンドリング特性に大きく貢献しています。軽量アルミ構造の、低位置の大きなクロスセッションは抵抗トルクが高く、駆動力、制動力、シャーシの力のダイレクトな伝達を可能にしています。一方、不要な柔軟性は構造上低減され、高剛性かつダイレクトで、ひずみのないレスポンスが得られます。
軽量化したこの高度なアルミニウムスペースフレームの素材構成比は、アルミニウム形材(削り出し材)45%、アルミニウムパネル31%、鋳造アルミニウム20%、スチール4%となっています。また、Aピラーには極超高張力鋼板(熱間圧延)を使用し、乗員保護性能に大きく貢献しています。ホワイトボディ重量はわずか241kgで最高出力420kW/571hpのパワートレインとあいまって、スーパースポーツカーの中でもトップレベルの運動性能を誇ります。
低重心と横方向補強ストラットが生み出す完璧な運動性能
SLS AMGの開発コンセプトとして、「最大限の低重心化」が大きなテーマとなりました。つまりドライブトレインとアクスルの接続部の位置を低くするとともに、ホワイトボディのコンポーネントも可能な限り低重心設計として、高剛性を実現しています。これには、フロントセクション、リアセクションとセーフティパッセンジャーセルの接合部も、ねじれやトルクに対して強化されています。これらの接合部が力の伝達経路として最も低い位置となる徹底した設計を行った結果、低重心と同時に、車両構造内部の力の伝達も、調和の取れた効率的なものとなりました。
この軽量構造のもう1つの特徴として、前後アクスルの横方向補強ストラットをホワイトボディに一体化していることが挙げられます。高速コーナリング時にホワイトボディの中で最大の力を受けるまさにそのポイントに、アルミニウム形材を使ってサイドメンバーを接続しているのです。この徹底した対策によって、強靭な横方向剛性が確保されるとともに、重量増につながる2次的な補強材やコンソールが不要となりました。
最高水準のパッシブセーフティ
アルミニウムスペースフレーム構造はすぐれたパッシブセーフティを実現する土台となっています。さらに最高水準の安全装備として、3点式シートベルト、シートベルトテンショナー、ベルトフォースリミッター、8個のSRSエアバッグ(2段階式フロントエアバッグ、運転席・助手席ニーバッグ、シート内蔵サイドバッグ×2、ドア内蔵ヘッドバッグ×2)を標準装備しています。
最高出力420kW/571ps AMG 6.3リッターV8エンジン。
新型SLS AMGの心臓部は、メルセデスAMG独自開発のハイパフォーマンスエンジンが搭載されます。この6.3リッター自然吸気V8エンジンは、最高出力420kW/571ps(6,800rpm)と、このクラスのスポーツカーとしてトップクラスのパワーを誇ります。また、軽量ボディによりパワーウェイトレシオは2.84kg/PSを達成しています。さらに最大トルクは650Nm(4,750rpm)を発生し、0~100km/h加速は3.8秒、最高速317km/h(リミッター作動)を実現しています。
排気量6,208ccのこの高トルクV8エンジン「M 159」は、ベースとしたM 156エンジンの吸排気系を中心に120箇所以上にのぼる全面的な変更を加えることで、高性能レーシングエンジンに匹敵する特性を獲得しました。
性能の大幅向上を実現した主な対策としては、気流を最適化し吸気効率を高めたマグネシウム製インテークマニホールドシステムや、よりきめ細かい制御を行なう可変吸排気バルブ/カムシャフトコントロールシステム、等長エグゾーストマニフォールド、エグゾーストシステムのスロットル小径化などが挙げられます。これにより、シリンダー充填が大幅に改善され、最高出力は9%近く向上するとともに、全回転域でのスロットルレスポンスも大幅に向上しました。(スロットル全開まで0.15秒)また、エンジンオイル潤滑方式をドライサンプにすることにより、エンジン位置をこれまでよりずっと低くすることと、高速コーナリング時においても安定的なオイル供給が可能になりました。この結果クルマの重心が下がり、許容される横方向加速度が増し、ダイナミックなハンドリングを実現しました。
軽量構造とスタビリティの完璧な両立
出力増強にともなうエンジン負荷の増大には、高強度コンポーネントを採用することで対応を図りました。鍛造ピストン、強化型クランクシャフトベアリング、最適化したクランクケース構造の採用に加え、オンデマンド型高性能オイルポンプによる潤滑の改善によって最大限の安定性が実現しました。しかし、こうした対策を盛り込んだにもかかわらず、 M 159 エンジンはさらなる軽量化を図っています。特に重要な役割を果たしているのが、振動マスとなる鍛造ピストンの採用です。これにより、エンジン乾燥重量 205kg 、エンジンパワーウェイトレシオは 0.36kg/PS と、競合エンジンを大きく引き離しています。また、最新の触媒コンバーターにより、 EU 5 、 LEV 2 、 ULEV など、現行および将来実施予定の排出ガス基準にも適合しています。
大胆な燃費目標を達成
SLS AMGは、妥協を許さぬスポーティな性格を持ちながらも、大胆な燃費目標を達成しました。NEDC総合燃費は13.2リッター/100km(約7.6km/L*)と、クラストップの燃費効率を実現しています。( *EU 仕様参考値)  AMG 独自の低フリクション LDS シリンダーボアライニングや、特性マップ制御によるオイル供給、高度なジェネレーター管理などの効率改善対策を導入しました。また定速走行時やブレーキング時の運動エネルギーを電気に変換しバッテリーを充電する回生機能により、運動エネルギーが無駄に失われるのを防いでいます。また、加速時にはジェネレーターが負荷なしで起動し、エンジンの負担を軽減しています。
トルクチューブを備えたトランスアクスル式デュアルクラッチトランスミッション
AMG 6.3 リッターV8エンジンの強大なパワーのリアアクスルへ伝達には、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)レースのCクラスレースマシンにも使われている超軽量カーボンドライブシャフト(約 4kg )が採用されており、鋳造モノブロック構造のアルミニウム製トルクチューブ(約 25kg )を用いて、エンジンハウジングからリアアクスルに搭載されたメルセデス初採用のデュアルクラッチトランスミッション(トランスアクスル)に接続しています。このメリットは、エンジンとトランスミッションとの間が高剛性リンクとなることにより、発生する力やトルクに対するレスポンスが最適化されることにあります。
新開発のAMGスピードシフトDCT 7速デュアルクラッチトランスミッションは、シフト時間最速100ミリ秒まで高速化され、トラクションが途切れない素早いギアチェンジを実現しています。また、ドライブモードはC(コントロールエフィシェンシー)、S (スポーツ)、S+(スポーツプラス)、 M (マニュアル)の4つの異なるモードを備えるほか、 RACE START 機能も搭載しています。S、 S+ 、Mの 3 つのモードでは、自動ブリッピング機能が働き、 AMG ドライブユニットシステムのトルクレギュレーターにより管理されます。さらに、コンパクトなトランスミッションケースに一体化した機械式 LSD (リミテッド・スリップ・デファレンシャル)により最適なトラクションを実現します。
ダブルウィッシュボーンサスペンションを採用した高度なシャーシレイアウト
フロントミッドシップ、トランスアクスル方式の採用によって、 47 : 53 の前後重量配分比を実現、正確なステアリング特性と最高水準の俊敏性、急激な方向転換時の低い慣性、すぐれたトラクションなど、卓越した運動性能に大きく貢献しています。メルセデス・ベンツとAMGは、理想的なスーパースポーツカーを作り上げ、完璧なサーキット性能とメルセデスならではの長距離快適性を両立させることを目指す中で、洗練されたシャーシレイアウトを実現しました。4つのホイールの支持には、フォーミュラ1などのレースでも実績を上げた、トラックロッド付きデュアルAアームを採用しています。ダブルウィッシュボーンサスペンションは、ホイール支持とサスペンション機能はたがいに分離しており、スプリングストラット/ダンパーストラットを下側のラテラルリンクで支えています。剛性と操縦安定性にすぐれるダブルウィッシュボーン式は、上下動を最小限に抑えつつ正確な方向性を保持し、きわめて厳しい状況においても最適なロードホールディングを確保します。
Aアームとステアリングナックル、前後のハブキャリアは、100%鍛造アルミニウム製とすることでバネ下重量を大幅に軽減し、サスペンションの応答性を高めています。2,680mmのロングホイールベースは、直進安定性を確保するとともに、走行時のホイール負荷変化が小さくなり、これによって加減速時のピッチングを低減しています。また、ワイドトレッドによりコーナリング時の内輪から外輪へのホイール荷重移動が低減され、タイヤのグリップが改善されました。コーナリングについては、キャスター角を11.5度と大きくとり、ネガティブキャンバーを大幅に大きくさせてタイヤグリップを向上するとともに、旋回中の急ブレーキに対してもすぐれた安定性を確保します。
AMGパフォーマンスサスペンション
SLS AMGには、サーキット走行等さらにハードなドライビングを楽しむドライバーのために、ノーマル比:スプリングレート+10%、ダンピングレート+30%のAMGパフォーマンスサスペンションをオプション設定しています。高速コーナリング時の大きな横Gに対するグリップ耐性が向上します。
ダイレクトなステアリングフィール、ディファレンシャルロック、3ステージESP®
ラック&ピニオン式ステアリングは13.6:1の固定ギアレシオとし、スーパースポーツカーに求められるダイレクトなステアリングフィールをつねに提供します。車速に応じてアシスト量が変化するパラメーターステアリングにより、速度が上がるにつれてドライバーへのフィードバックを高めます。これは高速での直進走行時にきわめて重要な要素となります。ステアリングギアはエンジンの前側、フレームタイプのインテグラルサポートにマウントされており、またエンジンの搭載位置を低くすることに貢献しています。
ボタンひとつで”ESP ON”、”ESP SPORT”、 ”ESP OFF”を切り替えることができる3ステージESP®は、“ESP OFF”モードの場合でも、ブレーキペダルを強く踏み込むとESP®のすべての機能が有効となります。
アクセレレーション・スキッドコントロール(ASR)のトラクションロジックは、3つのESP®モードすべてで動作します。センサーが駆動輪を常に監視し、いずれかが空転しそうになると適切なブレーキ圧を加え、もう一方の駆動輪のトラクションを大幅に改善します。また極めてダイナミックな走行時のトラクションの確保には、標準装備の機械式多板LSD(リミテッドスリップディファレンシャルロック)も大きく貢献し、エンジン出力の路面への伝達効果を高めます。
AMGハイパフォーマンス・セラミックコンポジットブレーキ
新開発「フローフォーミング」ホイール
ブレーキにはAMGハイパフォーマンスコンポジットブレーキを採用しています。フロントに6ピストンキャリパー、リアに4ピストンキャリパーと鋳鉄製ドリルドベンチレーテッドディスク(フロント:390mm×36mm/13.5kg、リア:360mm×26mm/10.6kg)を組み合わせ、非常に大きな負荷の下でも制動距離を大幅に短縮します。またオプション装備として、より大径のディスクを備えた新開発セラミックコンポジットブレーキシステムを設定しました。このセラミックブレーキは、1,700℃の高温で真空強化処理され硬度が高められていることから、高温でもよりすぐれた安全性を約束するほか、重量も約40%低減されています(フロント:402mm×39mm/7.9kg、リア:360mm×32mm/6.5kg)、バネ下重量の低減により、ハンドリング特性の向上、とりわけ高速コーナリング時にとくに効果を発揮します。
ホイールについても軽量設計をとくに重視し、新開発「 flow forming(フローフォーミング)」技術により重量を最適化したAMGアルミホイール(フロント:9.5×19インチ、リア:11.0×20インチ)を採用することで、バネ下重量の低減と、ハンドリング特性およびサスペンションの快適性の向上を図りました。ホイールは、標準装備のAMG 7スポークアルミホイールに加え、5ツインスポークホイールと10スポーク鍛造ホイールをオプション設定しています。また、タイヤ(前265/35R19、後 295/30R20 )は SLSAMG
専用に開発したもので、最高水準のグリップ性能を発揮します。
心地良いサウンドを提供する「Bang & Olufsen BeoSound AMGサウンドシステム」
新型SLS AMGには、高らかに咆哮するAMG 6.3リッターV8エンジンサウンドを楽しむほかに、室内に心地良い音響空間を演出する1,000ワット/11スピーカーの「Bang & Olufsen BeoSound AMGサウンドシステム」をオプション設定しています。
種類
設置場所
サイズ
ワット数
個数
イルミネーテッドツイーターレンズ
ダッシュボード左右
19 mm
50W
2
センタースピーカー
ダッシュボード中央
90 mm
50W
1
ミッドレンジスピーカー
左右ドアトリム
100 mm
125W
2
サラウンドスピーカー
左右Bピラー部
80 mm
50W
2
ウーファー
左右足元
165 mm
125W
2
サブウーファー
パーセルシェルフ左右
165 mm
250W
1