2011年
5月
2日
|
02:00
Europe/Amsterdam
2011年第1四半期決算は好調: EBITは約20億ユーロで、前年同期比71%増
・ 第1四半期純利益は前年同期のほぼ2倍の11億8,000万ユーロ(前年同期: 6億1,200万ユーロ)
・ 売上高は前年同期を大きく上回る247億ユーロ(前年同期: 212億ユーロ)
・ 純流動性は124億ユーロに増加
・ 2011 年通期の販売台数、売上高がさらに増加の見込み
・ 2011年業績見通しを堅持: 継続事業EBITは2010年実績を大きく上回る見込み
* EBIT: 利払い前の税引き前当期利益
* EBIT: 利払い前の税引き前当期利益
ダイムラーAGは4月29日、2011年第1四半期決算を発表しました。それによると、同四半期の業績は非常に好調で、EBITは20億3,100万ユーロと、前年同期比71%増を記録しました(前年同期: 11億9,000万ユーロ)。
EBIT増益によって、純利益も11億8,000万ユーロと前年に比べて大きく改善されました(前年同期: 6億1,200万ユーロ)。また、1株当たりの収益は0.99ユーロとなりました(前年同期: 0.65ユーロ)。
ダイムラーAG取締役会会長 兼 メルセデス・ベンツ・カーズ統括のディーター・ツェッチェは「第1四半期は大きな利益を上げることができました。業績が当初の計画を上回ったため、2011年通期業績についての楽観的な見通しも堅持されることになります」と述べています。
ツェッチェはさらに、「ダイムラーは正しい道を歩んでいます。ダイムラーは魅力的な製品とすぐれたブランドにより、お客様を魅了し、収益性ある成長を維持していきたいと考えています。そして、新しい道への歩みを確かなものとするため、継続的革新、新技術の開発、すぐれた人材の確保といった従来の強みを生かす戦略を一貫して追求しています」と続けています。
このきわめて大幅な増益は、グループのほとんどの部門で業績が上向いていることによるもので、とくに、メルセデス・ベンツ・カーズ、ダイムラー・トラック、メルセデス・ベンツ・バンでは販売台数がすべての主要地域で前年同期より大幅に増加しました。また、ダイムラー・ファイナンシャル サービスでは、リスクコストの減少が大きなプラスの要因となりました。
東日本大震災関連では、ダイムラー・トラックで4,900万ユーロ、ダイムラー・ファイナンシャル サービスで2,900万ユーロのマイナスがそれぞれ発生しました。なお、保険による補償は計上していません。
ダイムラーでは、今回日本で発生した巨大災害のようなグローバルな課題に対して迅速・柔軟に対応できるよう今後も警戒を続けていきます。
グループ販売台数は前年同期比15%増
2011 年第 1 四半期のグループ自動車販売台数は 46 万 1,700 台(乗用車・商用車合計)で、前年同期を 15 %上回りました。グループ売上高は前年同期比 17 %増の 247 億ユーロとなりました。為替調整後の伸び率は15%となります。
純流動性は 2011 年3月 31 日現在で前年同期を上回る124億ユーロとなりました。
また、 2011 年第 1 四半期末現在の従業員数は全世界で 26 万1,718人( 2010 年 3 月 31 日: 25万 4,779 人)です。このうち、ドイツでの雇用は 16 万 4,131 人となっています( 2010 年 3 月 31 日: 16 万 1,449 人)。
部門別の詳細について
メルセデス・ベンツ・カーズの業績は前年に続き、 2011 年第 1 四半期も順調に推移しました。販売台数は前年同期比 12 %増の 31 万 700 台(前年同期: 27 万 7,100 台)、売上高は前年同期比20%増の 139 億ユーロとなりました。
EBITは12億8,800万ユーロと、前年同期を60%も上回る大幅な伸びを記録しました。売上高利益率は 9.3 %でした(前年同期: 7.0 %)。
増益の最大の要因は、ラグジュアリーモデルやSUVを中心に販売台数が増加したことです。とりわけ中国では、ラインアップの魅力が奏功し、大きく販売台数を伸ばしました。きわめて良好なモデル構成比や価格設定の改善、それに有利な為替レートも増益要因となりました。
逆にマイナスの要因としては、原材料の値上がりや、新車生産開始時の原材料使用量増加、研究開発費の拡大が挙げられます。
ダイムラー・トラックの2011年第1四半期販売台数は前年同期を27%上回ると大幅増の8万9,300台となりました。売上高も62億ユーロと、前年同期比28%増となっています。
EBITは、4億1,500万ユーロと、前年同期の1億3,000万ユーロより大幅に増加しました。売上高利益率は6.6%でした(前年同期: 2.7%)。
最大の増益要因は、西欧および米国を中心とする市場で業績が順調に推移したことです。逆に、現在進めている製品攻勢に対する先行支出がマイナスの要因となりました。また、3月に日本で発生した大震災により、4,900万ユーロの減益要因が発生しました。おもに、資産の損壊や生産停止によるものです。
メルセデス・ベンツ・バンでは、スプリンター、ビトー/ビアノ、バリオの合計で5万4,000台を売り上げ、前年同期比16増を達成しました。売上高は20億ユーロで、前年同期の17億ユーロを大きく上回りました。
EBITは1億7,300万ユーロ(前年同期: 6,400万ユーロ)。売上高利益率は前年同期の3.8%から8.8%まで改善しました。
増益の主な要因は、ドイツ、中国、トルコを中心に市場の回復が進み、販売台数が大幅に増加したことにあります。
ダイムラー・バスでは、世界販売台数(完成車およびバスシャーシ)が7,700台と、前年同期の8,400台を下回りました。売上高は8億3,100万ユーロでした(前年同期: 10億1,100万ユーロ)。
EBITはマイナス3,300万ユーロ(前年同期: プラス4,100万ユーロ)、売上高利益率はマイナス4.0%(前年同期: プラス4.1%)と、販売台数の落ち込み(8%減)により、前年同期の水準を割り込みました。とくに大きな影響を受けた品目は、西欧および北米のバス(完成車)です。これは市場要因により市内バスの販売が前年同期より大幅に減少したためです。さらに、ラテンアメリカの前年同期実績が大口受注の納入で大幅に増加していたことや、今回為替が不利に働いたことも、減益の要因となりました。
ダイムラー・ファイナンシャル サービスは、世界契約額が2010年末に比べて3%少ない617億ユーロとなりました。為替調整後の増減率はほぼゼロとなります。新規事業は好調で、前年同期比11%増の69億ユーロ。為替調整後は8%増となります。
EBITは3億2,100万ユーロと、前年同期の1億1,900万ユーロを大きく上回っています。増益の主な要因は、リスク対策費用の減少と金利差益の増加となっています。また、日本での大震災発生にともない、売掛金の回収不能が見込まれることから、2,900万ユーロの評価損を計上しています。
以上の各部門のEBITからグループEBITへの「調整」の部は、持分法が適用されるEADSに対する出資にもとづき案分したダイムラーの帰属分と、企業レベルでのその他の損益が中心となっています。
EADSの純損益に占める2011年第1四半期のダイムラー帰属分はプラス7,400万ユーロとなりました(前年同期:マイナス2億6,900万ユーロ)。前年同期のマイナスは、EADSが軍用輸送機A400M関連で計上した引当金が最大の要因となっています。
「調整」の部はこのほか、主に訴訟に関連した企業レベルでの支出1億9,100万ユーロが含まれます(前年同期:2,600万ユーロの収入)。
2011年業績予測を堅持
ダイムラーグループ の継続事業による 2011 年通期 EBIT は、現在の推定値によると 2010 年を大きく上回るものと見られます。第 1 四半期の推移から、 2013 年までに持続可能な形での達成を目指している利益率実現へ向け、ダイムラーが引き続き順調に歩みを進めていることが明らかになりました。
2010年に大きく増加した総売上高は2011年も引き続き伸びる見通しです。この伸びはおそらく全自動車部門が牽引するものとなります。総販売台数については、各事業部門の計画にもとづき、大幅な増加を予測しています(前年:190万台)。
メルセデス・ベンツ・カーズでは、メルセデス・ベンツの通期販売台数について、市場が全般に好調なことに加え、数多くのモデルチェンジやニューモデルの投入により、前年を上回り、過去最高の120万台超となるものと予測しています。同部門は競争力を備えた最新のラインアップを備えており、需要が大きいEクラスや堅調なSクラスにより2011年も好調な販売が見込まれます。2011年の今後の3つの四半期の販売台数も、それぞれ前年同期を上回る見込みです。
今年3月末に導入した新世代Cクラスセダンおよびステーションワゴン、新型SLKは、販売台数のいっそうの拡大に貢献しています。また、6月にはCクラスクーペ、9月には新型Mクラス、そして第4四半期にはメルセデス・ベンツSLS AMGのロードスターが登場する予定です。さらに11月には、コンパクトカー市場に導入する4つのニューモデルの第1弾として新型Bクラスの発売を予定しています。スマートブランドについては、新世代スマートフォーツーが出揃うことで、2010年並みの販売台数を見込んでいます。
これに加え、メルセデス・ベンツ・カーズでは成長を確実なものとすべく、生産ネットワークの拡張へ向けた投資を行うとともに、製品攻勢の継続と新技術の開発強化を図っています。これらの取り組みには、ダイムラーと東レが共同で進める炭素繊維自動車部品生産・販売合弁事業や、ボッシュとの提携による乗用車向け電気モーターの開発が含まれています。
ダイムラー・トラックでは、全般的な経済回復や、これにともなう輸送サービスおよび輸送車に対する需要増加の見通しから大半の主要市場で大きな伸びが見込まれるため、2011年通期販売台数については大幅な増加を予測しています。西欧では、継続的な市場拡大に支えられ、大型車・中型車市場での優位を維持できるとしています。NAFTA地域については、クラス6~8すべての市場でシェアが拡大するほか、受注も堅調に推移すると予測されます。日本市場は、大震災の影響で大きく落ち込んでおり、しかも今後の動向の不透明さから、予測が困難な状況となっています。ただ、他のアジア市場、とくに巨大な市場を抱える中国など、急成長を遂げる新興市場では、地位が強まる見通しです。また、ブラジルおよびトルコでは、生産能力の拡大を進めており、両市場への供給体制が改善されてきています。
ダイムラー・トラックでは今年の残り3つの四半期も、販売台数はそれぞれ前年同期を上回る見通しです。その根拠となるのが現在の受注状況で、受注台数は、欧州/ラテンアメリカ地域で前年同期比2桁の伸び、NAFTA地域で同4倍の伸びを示しています。
メルセデス・ベンツ・バンでも、大半の主要市場で回復が続いていることから、2011年通期の販売台数はいっそう増加すると見ています。中国でのスプリンター発売やアルゼンチンにおける生産能力調整(現行世代スプリンターへの移行)がこれに寄与することになります。
ダイムラー・バスでは、完成車およびシャーシの2011年通期販売台数が4万台を超える見通しですが、堅調なのはラテンアメリカのシャーシ販売だけで、西欧と北米ではバス(完成車)の低迷が続くと見られます。
ダイムラー・ファイナンシャル サービスの2011年通期業績は、世界契約額と新規事業がさらに伸びる見込みです。今年は信用リスクコストが安定する見通しですが、金利の上昇がありそうです。
ダイムラーグループの世界従業員数は、グループ製品に対する需要が好調なことから、2010年末に比べて増加する見通しです。