2011年
11月
30日
|
01:00
Europe/Amsterdam

smart forvision

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スマートはつねに都市モビリティの先頭に立ってきました。 スマートフォー ツー エレクトリックドライブは、世界各地の都市における今後の方向性を示しています。化学業界では自動車向けサプライヤー最大手のBASF社と共同開発した、駆動システム以外の先進的未来技術を搭載したコンセプトカーが smart forvision です。 この smart forvision は未来志向のデザインの中に、エネルギー効率、軽量設計、温度管理に関連するさまざまな技術を搭載しています。
 スマートブランド統括のアネット・ヴィンクラーは次のように話しています。
smartはこのforvisionにおいて、都市モビリティに関するダイムラーのシンクタンクとしての本領を発揮し、妥協のない電気自動車を実現する数多くの『世界初』を発表します。 スマートではゼロエミッションによる航続 距離を大幅に伸ばすという明確な目標を掲げ、社内で航続距離に影響するあらゆる要因を検討しています。これにより、断熱性能、光や熱の反射、 軽量設計、エネルギー管理などの面でまったく新しいコンセプトや素材が生まれました。透明な有機太陽電池やエネルギー節約型の透明LED、赤 外線反射フィルムおよびコーティングに加え、断熱 ・断冷用の高機能発泡 材を採用しています。また、史上初の100%プラスチックホイールを採用することで、軽量設計に新たな基準を打ち立てるなど、 スマートの革命的な DNAも手伝ってユニークなクルマとなっており、研究部門から運び出して道を走らせる日を待ちわびています」
 BASFのポリマー研究部門代表のクリスチャン ・フィッシャーは、次のように述べています。
「未来のクルマを実現するためにはエネルギー消費量を削減しつつ、航続距離や快適性も高めるための素材やテクノロジーが求められます。これを実現するうえで、BASFの革新技術は大きく寄与します。このほどスマートとの協力を通じて、持続可能な都市モビリティを実現する全体論的コンセプトの開発ができたことを嬉しく思います。今回スマートとBASFが共同で開発したクルマは、他に類を見ない、未来への先駆けとなるものです」
 スマートの自動車ノウハウとBASFの素材およびシステムについてのすぐれた能力を融合したこのコンセプトカーは、全体論に依拠した、持続可能な未来の電気自動車を実現するさまざまな技術を搭載しています。研究部門および設計部門では、このコンセプトカーの中に今後普及が見込まれる素材や技術を意識的に盛り込みました。 その中にはまだ研究段階のものもあれば、量産化の見込みが高いものもあります。
 エネルギー効率 : 空から光とエネルギーを取り入れる
smart forvision のルーフには、目を惹く透明な六角形が設けられています。 エネルギーを発生する機能を備えた史上初の透光性ルーフで、表面全体を透明な太陽電池で覆っています。この太陽電池は、光が当たると発電する透明な有機色素をサンドイッチルーフ内に埋め込んだもので、散光時や薄暗い状況においても、マルチメディア機器や、車内の空調に 使用する3個のファンを動かすのに必要なエネルギーを発生します。このため、クルマが日なたにある場合には太陽電池の働きでつねに換気が行われ、車内が涼しく保たれます。この新開発太陽光技術はいっそうの効率化を可能にするもので、発生したエネルギーは車内のその他の用途にも利用できます。
 太陽電池の下にも新たな機能を追加しています。 ドアを開いたときやボタンを押したときには透明なOLED (有機発光ダイオード ) で車内を照らし、スイッチを切ると車外を見通せるようにする機能です。これによって、日中はガラスルーフのように使用できる一方、夜間には眩しすぎない快適な 照明が得られます。この新型OLEDはカラーを自由に選ぶことができるため、 より自由なデザインが可能になるほか、消費電力も通常の節電型ランプに比べて半分以下となります。
軽量設計 : 独自でよりよく、 スタイリッシュに
smart forvision ではある「世界初」が大幅な軽量化と独自のデザインを実現しました。 その世界初とは量産に適した100%プラスチックホイール。BASF開発の最新高機能素材を活用したホイールは、現段階で1個あたり3kgの大幅な軽量化を達成。従来型のポリアミドコンポジット材とは異なり、この新型プラスチックは長い強化繊維のため、機械的性質が改善されています。その結果、すぐれた熱安定性や化学安定性、動的強度、強靭性、良好な連続動作特性が得られます。スマートが実施した初めての集中的な製品テストにおいても、100%プラスチックホイールの性能が 実証されると同時に、量産車にも利用可能なことが確かめられました。
smart forvision ではトリディオンセーフティセルに加え、ドアなどの部品にも高機能複合素材の炭素繊維強化エポキシ樹脂を採用しています。こうした素材を使用することでスチールを使用した場合に比べて50%以上、アルミニウムとの比較では30%の軽量化が実現できます。 BASFの樹脂システムは硬化時間が短いことから、大量生産にも適しています。
暖房 : 体の近くで、効率的に
多機能かつ快適 ・軽量な smart forvision のシートは、効率的温度管理とエネルギー節約型軽量設計を独自の形で同時に実現したもので、複数の革新製品を初めて組み合わせて使用しています。シートベースには、新開発軽量自立型プラスチック製シートシェルを採用しています。
人の身体は特定の接触点からのみ熱を効率的に吸収することが、数々の研究から明らかになっています。このため smart forvision では、通常のシートヒーターに代えて、専用の導電コーティングを施した薄手のファブリック「eテキスタイル」を採用しています。背中の中央部と腰のあたりで身体により密着した部分を直接温めることで、快適な温感が得られます。省エネルギー、省スペース、軽量化に有効なこのeテキスタイルは、 ドアアー ムレストにも採用されており、シートと同様、寒さに敏感な接触点を温めます。
 さらに、 シートフォームにも革新技術を採用し、快適性と軽量化を両立させています。 BASFの素材は、他の素材と比べて約1020%も軽く、また、1回の作業でシートフォームの部位ごとの硬さを変えることが可能です。これは人間工学上、大きな利点となっています。
 また、超吸収剤を含むフリース生地をシートに織り込むことで受動的空調を実現し、 シートの快適性を大きく高めました。通常のベンチレーター付きシートと比べ、 smart forvision の軽量シートは換気メカニズムの複 雑さやエネルギー消費がないことがメリットとなっています。
 温度管理 : 熱の侵入を防ぐ
 クルマの空調や暖房には大量のエネルギーが必要です。このことから、スマートとBASFの研究部門では温度管理を重視するとともに、クルマの空調の効率をいちだんと高める数多くの対策を smart forvision に導入しました。これによりエネルギーを大量に消費する車内全体の暖房機能は不要となりました。
 また、 BASFが新開発した赤外線反射フィルムからなる熱シールドを自動車用途として初めて採用しました。 これをウインドスクリーンやサイドウインドウに用いることで、車内の温度上昇を防いでいます。 さらに、安全ガラスの間に無金属フィルムを挟み込むことで、赤外線の反射率を高めています。この新開発フィルムは可視領域の透明性が高いため、ティンテッドウィンドウにも使用可能で、太陽光や熱の反射率をこれまでにないレベルまで高めます。 なお、一部のクルマですでに使用されている金属化フィルムとは異なり、太陽光に含まれる赤外線のみを反射するため、 GPSBluetooth、携帯電話、 ETCなどの電波が妨げられることはありません。
 また、 BASFの高機能発泡材をボディパネルに内蔵することで、車内の空気を快適に保ちます。夏には快適な涼しさを保ち、冬には寒さを防ぎます。この発泡材は薄くても高い断熱性を発揮するため、車内のあらゆる場所に使うことができます。このような画期的な断熱システムを smart forvision に採用することで、両社は自動車市場に新しい分野を開拓しています。
クールなコーティングで、車内もクールに
赤外線を反射し、 きわめて傷のつきにくいコーティングシステムは、広い範囲をカバーする温度管理システムに対応すると同時に、その鮮やかで上質な外観により smart forvision 独自のデザインを強調するという2 つの重要な機能を果たしています。 smart forvision に採用したホワイトの特殊効果コーティングはガラスフレークによるもので、きらめくメタリッ ク調の外観が特長です。
また、重要な副次効果として、白色は太陽からの熱線や光を非常によく反射することが挙げられます。一方、ダークカラーのコーティング面でも、 BASFが誇る特殊な着色顔料により、温度はこれまでよりずっと低く保たれ ます。着色顔料が熱放射を吸収するのではなく反射するためで、これによって塗装面の温度は最大20、車内温度は最大約4下がります。
 未来を占うデザイントレンドセッター
smart forvision はパールホワイトペイントに、銅色の液体メタルペイントで塗装したトリディオンセーフティセルをアクセントとしています。その基本構造は、 smart fortwoの設計とのつながりを意識したものとなっています。液体メタルペイントに含まれる、先進的かつ高級感あるアルミニウムフレークによって、セーフティセル上に反射面が生まれ、見る角度に応じて明暗が変化します。なお、ボディパネル、トリディオンセルのいずれにも、きわめて傷のつきにくいクリアコートを上塗りしています。
 宝石のファセットのように多数のカット面をつけたサイドドア ( ドアオープナー内蔵)は、目を惹くデザインとなっています。プラスチックを素材に斬新で表情ゆたかな立体的なフォルムを実現したもので、 プラスチックを一貫して使用してきたスマートならではの新機軸です。精密に造形されたファセットは安定性を高めるとともに、肉厚をこれまでより薄くすることができるなど、プラスチックの可能性を最大限に引き出すデザインとなっています。
 一方、フロントとリアは、ドアからなめらかに流れる柔らかなデザインを採用しています。一体型ドアハンドルは追加部品を必要としないデザインで、おなじみのフロントグリルは小さな六角形の孔をボディパネルに直接開けたものとなっています。
 ジェットエンジンのようなリアコンビネーションランプは、小型飛行機のタービンをヒントとしたデザインで、 テールに未来志向のスポーティな外観を与えています。 ランプ内側には、内部の空気を外部に排出する小型 プロペラを設けています。 このリアコンビネーションランプは必要な照明 機能をすべて備えるほか、周囲にリング状の透明スタックを配し、充電中にはバッテリーの充電状態を表示します。
 ヘッドライトはデイタイムドライビングライトとウインカーからなるリングをアクセントとして施し、 smart forvision の愛らしい表情をいっそう強調しています。
 未来への扉を開く
 smart forvision の室内は、多角形をあしらった面と有機的な形状を組み合わせることで、エクステリアの建築的デザインと連続したデザインと なっています。この連続性はカラーコンセプトにも適用され、室内においてもクールなホワイトを基調に、 インストゥルメントパネル内部の銅色の液体ペイントでアクセントを添えています。 ホワイトのフロア上に配置した ホワイトの六角形はラバーの突起で、 シート表面の「トーン ・イン ・トーン」 デザインとともに、クルマ全体のデザインとの統一を図っています。
 サイドドアに施されたファセットのデザインはドアの内側にも採用され、一体型のアームレストとドアポケットを備えた多角形状の面が室内に向かってカーブを描いています。ドアの内側はボディ同色で、 カラー LEDを備え ています。 このLEDはドア開閉時には外側から内側へと流れる光を放ちますが、ドアを閉じた状態では控えめなアンビエントライティングに切り替わります。
 楕円形のユーザーインターフェイスは、軽量のトリディオンセーフティセルに合わせて銅色フレームを採用しており、クルマに電源が入っていないときは半透明状態となります。電源をオンにすると、透明な画面上にあらゆるコックピット情報が表示されます。なお、操作メニューの切り替えはタッ チスクリーン方式となっています。
 ホワイトのステアリングホイールは、航空機の操縦桿を思わせるデザインで、 コックピットに未来志向の外観を与えています。このステアリングホイールには、機能操作ボタンやバッテリーの充電状態を示すLEDディスプレイを配置しています。
 時代の先をゆくテクノロジー
 smart forvision は、電気自動車が自動車のゼロエミッション化を実現することを示すとともに、自動車への新技術導入にも道を切り開きます。こうした革新技術の多くは、持続可能なソリューションの開発に欠かせないナノテクノロジーをベースとしたものです。 ナノ素材は自動車だけでなく、建設、 エネルギー、ヘルスケア、 エレクトロニクスの分野においても技術革新の原動力となっています。
 smart forvision に搭載されたあらゆるテクノロジーの総体的効果として、航続距離が顕著に拡大します。 バッテリー電気自動車をめぐる議論においては、航続距離の問題がつねに中心的なテーマとなっていますが、 smart forvision では、最大限のエネルギー効率の実現や、高度な温度 管理、一貫した軽量設計の採用によって、航続距離を最大20%向上させることができます。未来の電気自動車へ向けた一つの進化と言えます。
 *記載の数値 ・データ ・仕様はすべて欧州仕様、もしくは社内参考値です。